フルマラソン完走への道(2)

2023年9月20日水曜日

running

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 完走を目指すことにした経緯等は前回で書いたので、今回は栄養補給やギアの話を。


■栄養補給について

 フルマラソン(42.195km)を走るのに必要なエネルギーは2,500~3,000kcalで、身体に蓄えてすぐに使えるのは2,000kcal程度ということを何かの記事でみかけた。つまり走ってる途中で栄養補給しないと足りないわけだ。レース1週間くらい前から炭水化物を多く摂取して蓄積量を増やす手法(カーボローディング)もあるようだけど、ともかく不足することには間違いないようだ。


プロのアスリートは、栄養分も含んだスペシャルドリンクで水分とエネルギーの両方をレース中に摂取するようだが、アマチュアは運営が用意した水やスポーツドリンクと、これも運営が用意した食事(バナナや羊羹、その他ご当地グルメ等)や、個人で携行するエナジージェル等で栄養を補給することになる。


おおよそ1時間あたりエナジージェル(1つ100kcal程度が多いようだ)を1つ摂取するのが目安、という情報を見かけた。サブ4~5のペースだと、10km程度で1つという計算だ。従ってレース中は4つか5つのジェルを持って走ることになる。


ジェルにしてもその他の食べ物にしても、走りながら食べるのは普段の食事と違って難しそうだし、激しい運動を行っていると食欲が減衰したり胃腸の調子がおかしくなって食べられないこともあるらしい。日頃から、走るだけでなく本番を想定した色々な練習をしておいたほうが良さそうだ。


 先日、長い時間/距離を走る練習をそろそろ始めようと、約30kmという(完走すれば)自己最長のコースを設定して走りだした。携行した栄養は、スポーツドリンク500mlと、エナジージェル1つ。出発前には小さなパンを食べた。身体に蓄えられているエネルギーや脂肪もあるから30kmなら食事なし(スポドリの栄養だけ)でいけそうに思ったが、念のためジェルを1つ持ったのだった。普段20kmを走る時もスポドリだけ(暑い時期は途中で1本買い足してた)だったので、せいぜいジェルは1つあればいいと考えたのだ。


いざ走り出したところ、折返しの約15km地点までは特に問題なかったが、折り返してからがあまりペースが上がらなかった。早朝だったので日の出と共に気温が上がってきた影響もあるとは思う。20kmぐらいでジェルを摂取し、もう少ししたところでスポドリを買い足したものの、ゴール付近ではかなりのスローペースになってしまった。これが栄養補給(の失敗)の影響か、事前の食事や体調の影響か、天候の影響かは、定かではない。いずれにしても何事も経験で、次は栄養補給を多めにしようとか、走る前にもうちょっと食べておこうとか考えることが出来た。練習は本番のように、本番は練習のように、だ。


■ギアについて

 ランニングと言えば、まずシューズだろう。ランニングを始めて最初に買った靴は、ナイキの ズームライバルフライ 。初代モデルだろうか、鮮やかなピンクが目に眩しい。ちょうど箱根駅伝でナイキの厚底が話題になった頃で、ランナーと同じモデルは高価だし厚底は履きこなすのが難しいと言われていた時代なので、ソール薄めのズームライバルフライにした記憶がある。反発力こそあるものの厚底ではないので長距離(まだ10kmがいいところだったけど)には向いていない靴かもしれない。初心者には特に。


 それから数年経って昨年の話。フルマラソンを想定して走ることにしたので、少しはソールが厚くて疲れにくいものがよい(でも安いのがいい……)と考えながら量販店で見つけた、 アディダス SL20を購入。定価の半額ぐらいになっていた。これを履いて走ってみたら、すぐタイムが伸びたので驚いた。そこまで厚底というわけではないが、20kmを走れるようになったのはこの靴だ。自分にはナイキよりアディダスのほうが合っているのだろうか。


この頃になると、以前のような「厚底は難しい」という考え方は落ち着きをみせていて、一般ランナー向けにもカーボンプレート内蔵の厚底シューズが各社から沢山出るようになっていた。アディダスはプレートではなくロッド(棒状)を用いていて、より足にフィットするらしい。量販店に見に行くと、エントリー向けのカーボン厚底シューズである アディゼロ ボストン 11 が安くなっていたので、勢いで購入した。自己最厚である。走ってみると、これまでの靴との違和感が大きい。厚み、反発、硬さ等。アッパー部分の素材(硬い・伸びない)も全然違った。しかしスピードは出た。走り方を色々工夫するとタイムがどんどん伸びた。ハーフ相当距離の自己ベスト(平均5分33秒/キロ)も出せた。カーボンすごい。そう言えば中学生の頃に卓球をやっていて、カーボン入りのラケットが大流行したことを思い出した。やっぱりカーボンなんだな。


 しかしボストン11は、素材の兼ね合いや、厚底とは言えカーボンが入っていることもあって、決して足に優しい靴ではないと思う。走っていて足の甲の部分に痛みが出たり(これはアディゼロSL20でも同様)、膝周辺に疲労が出やすかったりしていた。まだまだ初心者の自分が長距離をスローペースで走るには、純粋に厚底なだけのクッション性能に重きをおいたシューズが必要なのではないか。どうもアディダスにはそういう方向の靴が見当たらず(あるかもしれないけど)、聞くところによるとナイキのエアズームペガサスや、アシックスの幾つかの靴が定番らしい。またまた量販店を見に行くと、アシックスの新作である エヴォライド スピード という靴が、カーボン無しの厚底で、見た目もカッコよく、新作なのに安かった。アシックスは日本のメーカーなので、日本人の足にあった靴を作っているイメージがある。ソールは厚く柔らかく、生地も肌当たりが良さそうで、かつ軽い。他にも厚底シューズはあったし、ジェル入りのものもあったが、価格重視でこれに決めた。


エヴォライド スピード は、ソールの形状的に全体を反発させて走るというより、踵から前足部にかけて体重を移動させながら走る走り方に向いているかもしれない。スローペースだと必然的にそうなるので、スローペース向けに購入したのは正解だったかもしれない。普段のジョグはこれで、速く走る練習はボストン11で良いだろうか。走り方が結構違うので戸惑う部分はあるけれど。


 さて、本番はどちらの靴で走るべきだろうか。タイム優先か、足への優しさ優先か。どちらの靴でも40kmを走ったことがないので、まずはそれを試すべきだろう。もう少し涼しくなれば走りやすくなるんだけどな。

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