40年ぶりに初代ガンダムを観た

2022年6月5日日曜日

Animation

t f B! P L

 本放送は1979年4月7日~1980年1月26日。当時5歳。何かしら観ていた記憶は確かにあるし、その後ガンプラも少しは買ったりしたけど、さすがに観ていたのは再放送だったと思う。とは言え、それ以降に再放送を観た記憶はないし、ビデオ等も借りたりしていないので、タイトルに誇張はないと思う。

 当時の記憶としては、主要キャラの顔や声、MSやMAの見た目(これは後から色々補完されてしまった可能性があるが)、すごくざっくりとしたストーリーが残っているし、まぁ大体そういう話だっただろう、と思いながら第1話から観始めたのだけど、早々に自分の記憶がいかに曖昧だったかを実感させられた。

 印象に残った細かなポイントは後から書くとして、初代ガンダム全体のイメージとして、単なるロボットアニメではなかったし、いわゆるリアルロボット物の先駆けにも留まっておらず、色んな人々の人間模様や政治や経済も描かれているし、後世の様々な作品の起点になっている、とんでもない作品だということに今更ながらに気付かされた。僕がこれまでに観ている作品の数は知れているだろうけど、戦記物として初代ガンダムを越える作品は今のところ思い当たらない。と思う。

 以下、すごいなと思ったポイントをつらつらと。


■技術

 そもそもフィクションだし強引な設定は山ほどあるけど、そんな中に先進的なアイディアが沢山取り入れられていて、制作スタッフの技術的知識……もしくはオタク的こだわり……が随所に見受けられた。例えばガンダムに搭載された、教育型コンピュータ。これ今で言うマシンラーニングみたいなものでしょ。1979年に。日本だとNECのPC-8000シリーズが登場した頃よ。未来のコンピュータっていうイメージで採用されたんだろうけど、その読みは鋭かったわけだ。

 あと、マグネットコーティング。作品中では摩擦を減らすような技術として採用されていて、現実には存在しないものなんだけど、現在EVやHVのモーターで多用されている電磁鋼板は、金属を磁化させて製作するという、ある意味でマグネットコーティングの流れを汲む技術。これまた目の付けどころが面白いと思う。


■音

 初代ガンダムの作中で流れるBGMやSEは何種類ぐらいあるのだろうか。他の作品で数えたことは無いし、今でこそサントラが発売されたりするけど当時の作品ではめったに無かったと思うので、そもそも全体としてBGMやSEの種類は少なかったと考えられるけど、それにしても初代ガンダムは少ない曲数を効果的に使っていたと思う。

 「モビルスーツが立ち上がる音」「ビームを撃つ音」と聞いて、多くの人が思い浮かべるあのSE。本当に何度も何度も同じSEが使われるのだけど、これが不思議と「またか」という感じがしない。BGMもそう。あのティンパニから始まるBGMとか、もーしつこいくらい流れるのだけど、ワンパターンな感じは全然ない。流石に最終話あたりでは、シーンとBGMが合ってないなーと感じることもあったけど、作品全体としては上手くやりくりされていたと思う。

 そういえば艦艇で流れる警報音が連邦・ジオン共に同じだったりしたのだけど、これは両方の国に同じ警報機を納品してる業者がいたりするのかな、なんて想像したりしていた。


■人間ドラマ

 子どもの頃には一切興味がなかったであろう人間ドラマが、初代ガンダムには山ほど詰め込まれていた。僕のように長年観ていない人は、マジで観たほうがいいレベルで初代ガンダムは重い。ZやZZなんて目じゃないぐらいだ(その他のガンダムはあまり知らない)。

 フラウの家族に始まり(そしてそのことを振り返る間もないフラウ自身の戦争)、セイラ&シャアの兄妹~一族の話(これは連綿と続くわけだが)、ワッケインとブライトら軍隊的な物語、ガルマとシャアの見せかけの青春、避難民の地球への想い、ガルマとイセリナの許されない恋、ランバ・ラル&ハモンや、マチルダ&ウッディら大人の物語(どっちもたまらない)、アムロと父母の悲しいエピソード(自分も親になって分かる気持ちがある)、ククルス・ドアン(映画楽しみ)、アムロの苦悩(エヴァに受け継がれた感)、リュウの悲劇(死んだことは覚えてたけどこういう流れだったか)、ブライトやミライの苦悩、意外と長い間登場してたマ・クベ、カイとミハルの物語、子どもたちの気持ち、意外と恋多きミライ、現代の作品なら2~3週は続くであろう戦闘が一瞬で終わったシャリア・ブル、意外と色々喋ったり戦ったりしていたララァ、意外に存在感のあったデギン、シャアに負けず劣らず兄妹で色々あったギレン&キシリアまで。よくこんなに盛り込んだものだ。

 最後はニュータイプにまつわる物語で幕を閉じるわけだけど、個人的にはこれには色んな理由があったにせよ、ちょっと余計だったかも、と感じた。ニュータイプ無しの物語であってもよかったと思う。


■まとめ

 今回初代ガンダムを観て、ガンダムシリーズに改めて興味が湧いてきたし、リアルロボット物についても色々と観ていきたいと思ってる。残念ながらアマプラにはガンダムシリーズはほとんど無くて、去年なんとなく観た(ので観直そうと思ってる)Zと逆襲のシャアを除けば、機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096ぐらいしか無いみたいだ。一応、初代ガンダムから直接的な流れを組んでいるらしいので、とりあえず観るかな。

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