山の記録(11) 段ヶ峰(達磨ヶ峰~フトウヶ峰縦走)

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前回のエントリ「腰痛、再発と復活」に書いたように、ようやく腰の調子が落ち着いてきた。痛いからといって動かずにいると筋力や柔軟性が落ちてしまうので、動けるようになってきたら体操やストレッチなど「動いて治す」のが大切と教わってきた。そんなリハビリもいよいよ本格化しようと、山を歩くことにした。歩き主体で荷物も減らせば腰にもそんなに負担はないだろう。

ということで、かねてから歩いてみたかった生野高原に行くことにした。達磨ヶ峰~フトウヶ峰~段ヶ峰の縦走である。登山口は数か所あるが、縦走となると旧 生野荘(国民宿舎)跡地か、林道の終着点である千町峠のふもとのどちらかになる。特に何もない林道を登りかえすのも大変なので、前者に車を止めて歩くのが定番なようだ。

6時半、旧 生野荘跡(現在は生野高原ゴルフクラブがあるあたり)の駐車場に到着。今日は腰にサポートベルトを巻いての登山となる。フットサルする時は腰痛がなくても必ず巻いていたのだが、山を歩くときには今まで巻いてなかった。腰の保護(痛みを抑えるのではなく、腹筋背筋の補助として、腰が不意に曲がらないようにするため)のためと、気持ち的なもの……お守りとして巻くことにした。案内板のコースタイムとしては段ヶ峰まで3時間とのことだが、果たして自分はどのくらいで辿りつくだろうか。

まず最初のピークである達磨ヶ峰(と書いてダルガミネと読むらしい)への急な登り。久しぶりの山登りだし、腰も怖いので、小さな歩幅で少しずつ高度を稼ぐ。腕時計の高度計(今回は登山口で高度をセットしておいた)を見ながら、あと何メートルだ、とそれを励みにひたすら登った。達磨ヶ峰の肩を過ぎて斜度も緩やかになり、山頂に着いた。まずは1区切り。心配していた腰の調子は、若干左足側に違和感があるが、これはヘルニアによる坐骨神経痛によるもので、程度は軽いので状態は安定していることが実感出来た。この様子なら問題なく歩けると確信、具合が悪ければ下山しようと思っていたが、先に進むことにした。

ここからは木々の少ない稜線を歩く。まだ日が高くなくて、風もあって心地いい。少し下るとブナ林が始まって、いい雰囲気になってきた。フトウヶ峰までの間にある2つの小ピークの1つ目とのコルを過ぎて、山頂へ向かう。木々の間の踏み跡を、地籍調査のピンクのテープを目安に歩いていたのだが、進行方向右奥の明るい方向に次のテープが見えたのでそちらに進むと正面に鹿避けネットがあり進めない。ネット沿いに右方向に進むのかと思いきやシダ類が生い茂っていて踏み跡がない。それどころか、鹿か何かの骨が転がっていて、「よもや道迷いか」と思って途方に暮れてしまった。仕方なく一旦元の道まで戻って辺りを見渡すと、左奥に道が延びていることに気が付いた。ここはテープを頼りに歩くと右手に進みがちな気がするが、整備としてはどうなのだろうか。

迷いポイントを後にしてコルに下り、2つ目の小ピークを越えて最低コルへ。ここで今日初めて人に出会った。駐車場に2台の車があったので誰かが歩いているのだろうとは思っていたが、よもや前方から来るとは思わなかった。同い年くらいの、比較的軽装の、しかし歩き慣れた様子の男性。挨拶をして通り過ぎた。最低コルからは急な登りがあるが、木々を抜けると一気にパノラマが広がった。フトウヶ峰である。

フトウヶ峰の山頂は、ほとんど起伏のない高原だった。シダ類が茂っている間を登山道が通っている。広いところに出てしばらく行くと、ようやく山頂の印があった。ここで2人目の人と出会ったのだが、またもや前方から。一体何時から歩いていたのだろうか。いかにも山に慣れたおじさんで、ラジオを旅の伴に歩いていた。

少し休憩した後、先に進むと分岐に出合った。右に行くと段ヶ峰方面、左に行くと杉谷登山口方面というT字状の分岐だ。実はこの縦走路、段ヶ峰まで到着したら元のルートを戻る他に、少し先の千町峠まで進んで林道を端から歩いて戻るルートがあるのだが、聞くところによると2時間半も歩かねばならないらしく、それもつまらないのでどうしようか……と考えていたところ、この分岐まで戻って杉谷登山口に下りればショートカットになるとのことで、今日はそのルートを辿ろうと思っていた。看板を確認して分岐を後にした。

段ヶ峰までの間のコル部は再び林となり、野生動物たちが水を飲みに来る(かもしれない)という水飲み場があるのだが少々足元が悪かった。それを過ぎると再び高原となり、平坦な道になった。少し進むと、フトウヶ峰あたりから目に入っていた謎の物体……大きな四角い枠状のもの……にたどり着いた。真下まで行って見てみると、どうやらかつてはまっすぐな柱だったようだが、2か所で折れて枠みたいになってしまったらしい。通信関係の設備だったのだろうか、今では廃墟のようなたたずまいだ。それも後にしてもう少し行くと、段ヶ峰の山頂に着いた。

山頂は人がおらず、風が強かった。時計を見ると、ちょうど3時間。結局コースタイム通りに歩けたことになる。休憩時間を除くと、少し早いくらいか。最初スローペースだったが、平坦路はさっさと歩いたのでこんなものなのだろう。荷物を降ろして腰かけて、持ってきたパンを食べてスポーツ飲料を飲んだ。今日は行動色として大好きな柿の種を持っていて歩きながらつまんでいたのだが、汗をかく時期は塩分の補給が重要になるので、塩気の強い柿の種は適切だと思う。喉は乾くがいずれにしても水はプラティパスで随時摂取しているので問題ない。その甲斐もあってか、あまり疲れずここまで辿り着くことが出来たようだ。

20分ほど休憩して行動再開。元来た道を歩き出した。ここまで越えてきた山を振り返ると、結構な距離を歩いたように思うが、北アルプスを縦走するとなると、距離・起伏共にこんなものでは済まないのだろう。自分には色んな意味で遠い存在だ……なんて殊勝なことを考えつつ、フトウヶ峰の分岐まで戻ってきた。ここからは杉谷登山口を目指すことになる。

杉谷登山口への道は地形図には何も書かれていないが、木々を切り倒して開いてあり、とても分かりやすかった。ひたすら稜線上を南へ下りていくと、看板に出合った。左(東)へ行くと沢下りコース、右(西)へ行くと杉谷コースとのこと。素直に右に行けばいいのだが、登山口で見た看板に書いてあった情報を思い出して、まてよ、となった。確か登山口は、(東から)旧 生野荘跡、杉谷、沢登りコース、千町の4つのはず。そうすると、現在は南北逆に看板をみているので、左(東)に杉谷、右(西)に沢登りがあるはずだが、看板の表記は逆だ。一体どういうことだろうか。ともかく、南に下れば林道にぶつかるはずなので、看板を信じて右に進んだ。

ここからは岩混じりの下りとなり、手をつかったほうが安全な場所も何か所かあった。それを過ぎると杉林になり、ジグザグの道をつづら折れに下りていった。相当折り返したと思うが、ようやく抜け出ると、水のある沢に出合った。登山道は?と思いつつ辺りを見渡すと、看板が1つ。左(西)に杉谷登山道、右(東)に沢登り登山道というもの。ここで判明したのだが、最初にみた案内板の『沢登り』コースと、ここの沢登りコースは別物で、ここのは記載されていなかったのだ。ようやく理解したが、辺りは暗く踏み跡は不明瞭で今来た道すら分かりにくい状態。そして杉谷登山口への道は見当たらない。とりあえず沢沿いに下りれば林道に出られるだろうと(また)歩き出すと、すぐに登山口に着いて林道に出た。

杉谷登山口には最初に見たのとは違った内容の案内板があり、こちらは少し古いもののようだった。しかしここにも先ほどの沢登りコースの表記はなかったので、ごく最近出来たコースということだろうか。いずれ機会があれば、この林道の先にある(元々の)沢登りコースを含めて歩いてみようと思うが、今日はこのまま下山。舗装/未舗装の混じった林道をひたすら駐車場まで歩く。途中でゴルフクラブ方面と集落方面の分岐に出合い、ゴルフクラブ方面に進むと下りのはずの道が登りとなり少々辛い。しかもそこはカッセルという別荘地で、テニスに興じる歓声が聴こえてきたりと疲れた登山者には少々厳しい地帯だった。今日の核心はここであろう。それを過ぎると今度はゴルフコース沿いとなり、クラブハウスのところまで下るとようやく駐車場がみえた。

駐車場に着くと、朝見た2台の車とは別の車が2台停まっていた。すれ違わなかったので別ルートを取ったのか、時間差があったのだろう。時計を見ると、登りはじめから約5時間半。時間的には概ね満足出来る結果だと思う。ハードな岩稜の登り下りがあると難しかったと思うが、一部急な登りがあったとはいえ歩行オンリーだったので、異常なく歩き通せた。帰ってヤマレコで距離を確認すると12㎞超、そこそこ歩いたことになる。

今回の山行は、腰痛……ヘルニアの回復具合を確かめるための意味合いが強かったのだが、その意味では回復は順調と思える。まだ無理は出来ないが、歩くことは良い影響を与えるように思うので、山歩き再開!ということにしたい。これから涼しくなってくれば、更に歩きやすくなる。紅葉を求めるのもいいかもしれない。まだ見ぬ山を目指して。

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