フルマラソン完走への道(8) レース後の雑感

2023年11月22日水曜日

running

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 11月19日(日)、無事に初めてのフルマラソンである神戸マラソン2023を完走することが出来た。レースに向けたトレーニングや準備、当日の様子は前回までのblogを見ていただくとして、実際に走ってみた感想というか、走ってみて初めて分かったことについて触れておく。


■色んな人がいる

速い人・遅い人というだけでなく、本当に色んな人がいる。


序盤からただひたすらに息が辛そうな人(それでも走りたかったんだろうから尊敬だ)、コスプレしたりしていて沿道の人と触れ合いながら走る人(ペースが上下して大変そう)、二人でおしゃべりしながらゆっくりゆっくり走る人(ペースが変わらないので意外に速い)、下を向きながら走っていて全然速くないのに40kmぐらいで気がつくと追い抜いていく年配の方(ビックリした)、最後尾で制限時間めいっぱいまでレースを楽しむ人(酷道ランナーさん)などなど。


マラソン大会はお祭り、間違いない。


■みんな歩いてる

理想的な走り方としては、常に一定のペースで走ることだろうけど、淡々と同じペースで走り続ける人(走り続けられる人)はそんなに多くないみたい。


割とみんな後半は歩いてる。歩いてた。かなりカジュアルに歩いてた。予定タイムが3時間とか3.5時間みたいな前の方のブロックのゼッケンを付けた人が30kmぐらいから歩いてるのも結構見かけた。


レース後にSNSを眺めていると、前半をキロ5分で走って(サブ3.5ペース)、後半は失速して結局サブ4みたいな人をちらほら見かけた。なんか、申し訳ないけどホッとしたところもある。要は、(多少トレーニングしたところで)人間は40kmどころか30kmも走れるようには出来てないってことだ。


出来る限り走って、限界が来たら歩いてでもゴールを目指す過酷なスポーツ。それがフルマラソンらしい。じゃあウルトラとか……100マイルとかは……


■エイドはカオス

テレビでしか見たことのない給水や給食は、実体験してみると大変カオスだった。


簡単な図を描いてみたので見て欲しい。これでもまだマシなほうだ(実際にはこの10倍以上の人が常に滞留している)。



このカオスの中で確実に水や食事を確保するためには、前後の人の状況なんか構わずに、歩いてor立ち止まって取って飲んで/食べて、また歩いてゴミ箱に捨てて、走り出す……ということをしないとやってられない。でも、それをするとストレスだし、やらないと水分/エネルギー不足になる。ジレンマ!


聞いた話では、タイムを狙う人はエナジージェルを持って、水分だけ給水に頼るようなこともするらしいけど、それも今なら分かる。少しでもカオスを避けたいからだ。また、エイドはカオスな上に、一定のペースで走ることが出来なくなるわけだから、レース運びにも影響が出る。後述するけど、エイドは罠だ。


■トイレもカオス

トイレの場合はカオスというか、かなり立ち止まることになる。比較的空いてるところもあったけど、それは多分偶然で。どちらにしても走ることを一時的にではあるけれど止めてしまうので、体も気持ちも途切れてしまうのは間違いない。


また、走路からの距離もまちまちで、近いところもあれば、結構外れたところもあったので、タイムロスは大きい。僕も1回だけトイレに立ち寄ったけど、3分かかっていた。


■足が痛い

3日経った今も痛い。絶対どこか痛くなったり筋肉痛になったりするだろうとは思っていたから意外ではないのだけど。


走っている時は大腿部の裏側やふくらはぎ、足裏が痛くなった時間帯もあったけど、20km過ぎからずっと痛いのは大腿部の前側だ。特に内側。


一般に大腿部の前側(大腿四頭筋)は、走る際に足が地面に着地した時の衝撃を吸収する役割があるらしい。また、あるトレーナーは大腿四頭筋はブレーキをかける役割があるとも言っていた。しかし僕は基本的に淡々と走っていたはずだ。どこでブレーキをかけていたのか?


そう、それは前述のエイドだ。エイドに差し掛かる度に、どのへんで取ろうかな~(減速)、あっ今無理そう(加速)…いや空いたから取ろう(減速)~邪魔になるから少し離れよう(加速)…飲もう(減速し歩行)……飲み終わったからゴミ箱へ向かおう(加速)~確実に捨てたい(減速)~よし捨てられた行くぞー(加速)……といった具合に頻繁に加減速していたのでは、そりゃ足に来るわけで。エイドは罠、間違いない。


それ以外でも、少し自分のペースに合わない人が前に来ると避けるための動作をしたり時には少し加減速したり、ということをレース中繰り返していたので、これまた足に来る。


レース前半は遅めに入ってウォーミングアップと様子見とレース慣れをしようと考えていたのだけど(実際、低い心拍数のまま走れていた)、結果としては20kmで足が終わってしまった。


では、どうすればよかったのか。


走っている際は、ひたすら自分のペースを守る。少し流れより遅めにして、みんなに抜いて行ってもらう。そして後半のまばらになった状況で、改めてペースを見直す。エイドは、手前からゆっくり減速して入って、1回の減速で確保とゴミ捨てまで済ませて、ゆっくり加速する。自動車でも急減速や急加速はタイヤやブレーキ、燃費に悪影響だから、それと同じだ。


もしくは、ペースを守るのは同じだけど、より速い目標タイムのブロックでスタートして、より速いペースで前半をこなし(エイドも速いペースなので速く流れるはず)、貯金を作って後半は流れに任せるというのはどうだろう。イーブンペースで走れるのが理想だけど、人間30kmも走れるように出来てないなら、この方法でも良いはずだ。


終わりに

「見るとやるでは大違い」

この言葉を身を持って知ることが出来たのは大変貴重な経験だったと思う。フルマラソン、奥深い。

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