昨晩(未明?)、「ハースストーン/HearthStone」について、既存カードの修正情報が公開されてネット上が賑わいました。
公式サイトの記事
上記記事にもあるように、”今回の見直しは、今後数年間新しいフォーマットの中心となるであろう基本カードとクラシックカードに重点を置いています”とのことで、26日(日本時間27日)にリリースされる新しいカードセット「旧神のささやき」にあわせて実施されるようです。
今までのカード全てが使える「ワイルド」も勿論ですが、基本&クラシック+最新のカードセット&アドベンチャーだけが使える「スタンダード」の場合、基本&クラシックの影響度は必然的に大きくなるわけですから、見直しもまた必然だったと思われます。
特に、最近のランク戦や大会ではOTK(One Turn Killの略。1ターンで即死~大ダメージを与える)を仕込んだデッキ、具体的にいうとドルイドの「自然の援軍/Force of Nature+獰猛な咆哮/Savage Roar」通称ロアコンや、「魔力のゴーレム/Arcane Golem」絡みのコンボなどが目立っていて、そういったゲームの方向性を望まない運営に目をつけられていた背景もあるようです。その割にはパラディンの「七つの鯛罪/Anyfin Can Happen」を使ったマーロックデッキは残りますので、あれれ……という感も拭えませんが。
さて、ハースストーン初級者の私ではありますが、修正されるカードについて考えをまとめておこうと思います。
知識の古代樹/Ancient of Lore
7マナ5/5で、場に出る際にカードを2枚引くか体力を5回復するか選べるドルイド専用ミニオンでしたが、カードを引く場合の枚数が1枚に修正されました。あまりにも有用なカードだったためにドルイドデッキの大半に採用されていて、運営いわく「デッキ構築が硬直化している」ために修正されたようです。修正の方向は色々あったとは思いますが、まぁまだ使われることはあるんじゃないでしょうか。
自然の援軍/Force of Nature
6マナで、2/2の突撃持ち&ターン終了時に死亡するミニオンを3体場に並べるドルイド専用スペルでしたが、マナコストが5になる反面、突撃がなくなりターン終了時に死亡しなくなりました。これによってロアコンが抹殺されましたが、それでもカード1枚でミニオンを3体出せるのは悪くありませんし、「獰猛な咆哮/Savage Roar」は健在ですので、たとえば
1T(1マナ):何もなし
2T(2マナ):「野生の繁茂/Wild Growth」
3T(4マナ):「練気/Innervate」で2マナ獲得orコインで1マナ獲得→「自然の援軍/Force of Nature」
4T(5マナ):「ブルーギル・ウォリアー/Bluegill Warrior」→「獰猛な咆哮/Savage Roar」
で、18点のダメージを4ターン目に繰り出せるわけです。相手が邪魔しなければ。邪魔するな。
もし邪魔されそうなら、ちょっとマナは余分に必要になりますが、自然の援軍を出した後に「森の魂/Soul of the Forest」を使ってやると、範囲ダメージ呪文に強くなりますね。フロストノヴァ、あいつはダメだ。
木立の番人/Keeper of the Grove
4マナ2/4で、場に出る際に1体沈黙or2点ダメージを選べるドルイド専用ミニオンでしたが、体力が2に減らされました。こいつもほとんどのドルイドデッキで採用されていましたが、この修正によって少し使いづらくなります。4マナで2/2というのはミニオンとして相当弱いわけで、選べる効果を鑑みても悩ましい、というわけです。今回、この後で出てくる「鉄嘴のフクロウ/Ironbeak Owl」の修正とあわせて、運営として「沈黙を使いづらく(もしくは貴重なものに)」というスタンスのようで、逆に言えばより重要性が増したとも言えます。新カードセットで登場する旧神「クトゥーン」が巨大に育っていたとしても、沈黙させればタダの並ミニオンに成り下がるわけですから。
鉄嘴のフクロウ/Ironbeak Owl
2マナ2/1で、場に出る際に1体を沈黙させられる共通ミニオンでしたが、マナコストが3に修正されました。もともとミニオンとしては脆弱だったところを、3マナ必要となると、これちょっと悩ましくなりますね。とは言え、多くのヒーローでは沈黙させるためには使う必要がありますので、受け入れる他ありません。ただし、4マナ4/3で同じ効果を持つ「スペルブレイカー/Spellbreaker」がありますので、フクロウ入れるぐらいならそっちを……という場合もありますから、そうすると更に沈黙が遅くなります。
大物ハンター/Big Game Hunter
3マナ4/2で、場に出る際にアタック7以上のミニオンを殺すことが出来る共通ミニオン(通称BGH)でしたが、マナコストがなんと5に修正されました。BGHはミニオンというより、ドクターブームをはじめとした強力なミニオンを除去しつつ4/2というミニオンが場に残るスペル的に扱われてきましたが、5マナとなると容易にデッキに入れづらくなります。マナコスト的には、ローグの「暗殺/Assassinate」やウォーロックの「魂抽出/Siphon Soul」と同等になり、条件の少ないそちらを使うことも多くなるかもしれません。運営の志向する「ヒーローごとの特徴を強める」方向になりえそうです。
狩人の狙い/Hunter's Mark
0マナで、ミニオン1体の体力を1に変えるハンター専用スペルでしたが、マナコストが1に修正されました。体力が1ならどんなミニオンでも倒せるわけで、お手軽すぎた……という話のようです。確かに「魔力の一矢/Arcane Shot」とあわせると1マナでどんなミニオンも除去出来たわけですが、そもそもハンターの方向性としてそれが必要だったかと言うと、うーん?という感じがしなくもないです。
千刃乱舞/Blade Flurry
2マナで、自分の武器を破壊しつつ、武器のダメージと同じダメージを敵全て(ヒーロー&ミニオン)に与えるローグ専用スペルでしたが、マナコストが4に修正された上、ヒーローにはダメージを与えられなくなりました。ローグと言えば「ティンカーの刃研ぎ油/Tinker's Sharpsword Oil」通称オイルを使ったオイルローグというデッキが有名ですが、オイルはスタンダードから外れる上に、千刃乱舞はこの有様で、相当な弱体化に思えます。一部では、新カードセットで強力な武器が出るんじゃないか=今以上にお手軽に大ダメージを出せてしまうからその対策として、という噂もありますが、さてさて。
ナイフ・ジャグラー/Knife Juggler
2マナ3/2で、味方のミニオンが場に出るとランダムな敵に1点のダメージを飛ばす共通ミニオンでしたが、アタックが2に修正されました。もともと持っている効果自体には影響ありませんが、例えば2マナ2/3のごく普通のスタッツのミニオンに一方的に負けるようになりますので、今まで以上に弱くなります。それでもまだまだ有用ではあると思います。
レプラノーム/Leper Gnome
1マナ2/1で、死亡時に敵ヒーローに2点ダメージを飛ばす共通ミニオンでしたが、アタックが1に修正されました。効果はそのままですがアタックが1になったため、体力が2の格上ミニオンを打ち取ることが出来なくなりました。「鬼軍曹/Abusive Sergeant」と組み合わせて体力4のミニオンを倒したりするシーンもあったでしょうが、もう出来ません。運営いわく「他の1マナミニオンも使って欲しいので」とありますが、そもそも1マナミニオンってどれもちょっと……うん……
魔力のゴーレム/Arcane Golem
3マナ4/2で、突撃付だけども相手にマナクリスタルを2つ与えてしまう共通ミニオンでしたが、突撃がなくなり、体力が4に修正されました。冒頭に記したようにOTKを減らしたい運営の方向性に沿った修正ですが、デメリットがあるとは言え3マナ4/4のミニオンを果たして使いたいと思うでしょうか。他のカードもそうですが、「修正されたけどこれはこれで価値がある」と思える修正はいいのですが、「もう使うことないよね」という修正は、あまり賛成は出来ません。とは言え、じゃあこれが5マナだったら使うか?といわれると、悩ましいのですが。そもそものデメリットが弱すぎる(どうせリーサル時にしか使わないから、相手にマナクリスタルを上げても問題ない)ような気もします。
溶岩の巨人/Molten Giant
20マナ8/8で、自分のヒーローの体力の減少分、マナコストも減少するという共通ミニオンでしたが、マナコストが25に修正されました。今までは体力が10になれば0マナで出せたところ、5にならないと0マナでは出せなくなったわけです。現環境では「レノ・ジャクソン/Reno Jackson」を入れたデッキで採用されたり(体力10以下になっても問題ない)、ウォーロックで採用されたり(ヒーローパワーで意図的に体力を減らすことで早期に場に出せる)して暴れ気味だったところを抑えられた形になります。まぁ、それでも使われることはあるとは思います。時々。
変装の達人/Master of Disguise
4マナ4/4で、場に出る際にミニオン1体に隠れ身の効果を付与するローグ専用ミニオンでしたが、付与される隠れ身の効果が次の1ターンだけに限定されました。今までほとんど使われることのないミニオンだったのにどうして?という疑問が湧きますが、今後新たに登場するカードの中で、場に存在するだけで強力な効果を発揮するミニオンが出てきた際に現状のままでは強すぎる(全体除去呪文を使うしか対処策がない等)から、先に手を打った形に思います。現状でも「イセラ/Ysera」や「マリゴス/Malygos」に隠れ身を付与すれば強いように思いますしね、あんまりやってる人みたことないですが……
現在発表されている修正は以上となります。今後更に追加される可能性はゼロではないでしょうが、どうですかね。基本的に弱体化されるばかりで、逆に強化されるカードがあってもいいんじゃないかと思うんですが、そのへんどうでしょうか。全く見向きもされないカードは(無料で手に入る基本セット以外でも)沢山ありますから、そういったカードたちでも遊んでみたくなるような修正も期待したいです。
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